私達弱視者が、家電品や調理器具などを利用する際、文字が小さかったり表示ランプが暗かったりして、うまく使えなくて困ることがあります。
通勤、通学、通院、買い物、旅行などの際、道を歩いたり交通機関を利用したり、建物内で移動する際にも、時刻表や案内サインなどが見えなかったり、時には危険な思いをすることがあります。
案内サインを目の高さにして文字を大きくする、段差を見分けやすくする、色の区別がつきにくくても支障なく操作できるといった、見やすさへの配慮をしていただくことで、私達は安全に、そして便利に生活することができます。
視覚障害者が駅のホームから線路などに転落する事故は年間平均66件発生しています。全国のどこかの駅で6日に1人が転落している計算になります。さらに、転落した方のうち2人が亡くなっています。
こうした状況を鑑み、私たちはなぜホームの転落が発生するのか、どのように防げるのかについて提言するリーフレットを作成しました。
駅のホームにある点字ブロックは鉄道会社によって敷き方のルールが異なります。加えて、ホームの端に敷かれていることから逆に転落の危険につながるケースもあります。
この件について以下の通り国会答弁が行われました。
気付かれなかったヒヤリハット 視覚障害者のホーム転落事故をなくすために
視覚障害者が駅のホームから転落する事故が相次ぐのを受け、当会では視覚障害者が安全に駅を利用できるよう要望を取りまとめ、2016年と2017年の二度に渡り国土交通省に要望書を提出しました。
2013年1月13日午前7時43分頃、当会会員が西武池袋線「秋津」駅の下りホームから転落し、全治3カ月の怪我を負いました。西武鉄道は、このホーム転落事故について「本人の自過失が原因であり、西武鉄道は一切責任がない」と主張し、賠償にも応じていません。そこで当会役員が代理人となり、事故の発生の状況や当時の安全管理体制について公開質問書を送付し、やり取りを行いました。
西武鉄道への公開質問書とその回答(抜粋)私達は、広い道路の向かい側にあり信号機は遠くて見えません。道幅に関係なく安心して交差点を渡れるよう、交差点の手前の至近距離の低い位置から、信号機の色を確認できる装置が開発され、大阪府などの一部の交差点に設置されています。この装置が広く普及し、全国どこでも安心して渡れるよう、お願いする取り組みを進めています。
詳細ページ点字ブロックは、目が全然見えない人ばかりでなく、私達にとっても大切な道しるべです。私達はおもに、点字ブロックの色と周囲の路面や床面の色の違いで、歩く方向や段差などの危険箇所を識別しています。
デザイン重視で、周囲と同じような目立たない色にしたり、点と線の部分だけを床面に取り付けたもの(鋲タイプ)が増え、ブロックが見えなくて困ることが多くなりました。見やすさも点字ブロックの大切な機能であることを知っていただき、見やすい色のブロックが普及するよう、取り組んでいます。
詳細ページ東日本大震災以降の電力不足により、鉄道駅などのホームや通路、階段などの電灯が一部消され、私達はとても不便で危険な思いをしてきました。
私達は、節電による駅照明への影響について調査し、問題点と改善策をまとめて、弱視者のニーズを考慮したルール作りをお願いしました。
その結果、国などにより、節電しながら 私達弱視者が支障なく駅を利用するための、明るさのルール作りに向けた調査検討がはじまっています。アンケートや実験への協力などを通じて、多くの心ある専門家の方々と協力しながら、よりよいルール作りに取り組んでいます。
外出したときに、トイレの位置や男女の区別を示すサインの色がおしゃれすぎたり、高い位置にあったりして見づらくて困ることがあります。
そこで、大きく、形や色がくっきりして見やすくわかりやすいトイレサインを製品化しました。すでにいくつかの公共施設などに取り付けていただいています。