では、続きまして、鉄道のホームにおける視覚障害者の方の転落事故防止に関してお伺いしたいと思います。
先週もこのテーマで議論がありましたが、実際、年間、ここ直近の十年間でも、視覚障害者の方がホームから転落する、こういった事故が平均で六十六件生じていると。なおかつ、平均二名の方が命を落とされていると、こういう状況にあるということです。全然減っていないというふうに思っております。
実際、その転落した経験のある視覚障害者の方のお話聞くと、ホームの中央で点字ブロックのないエリアを歩いていて、だんだんホームの端の方に寄ってしまってそのまま転落するというケースですとか、あるいはホームの端にある警告ブロックの辺りを歩いているときに、人を避けたりとか柱を避けたりするときに転落してしまうと、こういったケースが非常に多いというふうにも聞いております。
そうした中で、国交省が開いている検討会の中では、このホーム中央にいわゆる動線、安全な歩行経路を確保していく、それも長軸方向と言われる、線路と平行して歩く、その長軸方向にそういった安全な歩行経路を確保していくことが転落防止には有効ではないかと、それを踏まえて実証実験をやっていく必要があるのではないかと、こういう議論になっているんですけれども、なかなかこの実証実験が行われていないと。そのことに対して、当事者の皆さんからは、やはりしっかりと実証実験やって、その結果をガイドラインに反映して、そして全国の鉄道事業者の方に周知を行ってほしいと、こういった強い要望をいただいております。
そこで、もうこの中間報告出されてから、令和三年にこれ出されているんで、もう約三年近くこういった状況で、実証実験も行われていない状況が続いておりますので、是非ここは大臣のリーダーシップ、国土交通省として、まずは実証実験しっかりやって、その結果で効果と課題を整理してどういう対応をしていくのか、こういう動きを、実際の行動を取っていただきたいというふうに思っておりますが、その点について大臣の御所見があったらお伺いしたいと思います。
視覚障害者の方々に駅のホームを安全に利用いただくための対策につきましては、検討会、新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会、こういう検討会において御議論をいただいております。
このうち、先ほど浜口委員からお話のございました駅ホームの中央に誘導用のブロックを設置することにつきましては、ホーム上の構造物の存在により何度も方向転換をすることで迷うリスクが高くなるなど、多くの慎重な意見があるため、検討に時間を要しているところでございます。
また、委員御指摘の実証実験を行うに当たっては、様々な駅構造、状況がある中で、試験フィールドとしてどのような構造の駅が望ましいのか、転落の際の背景要因である疲れや焦りなどの被験者の状態の再現が難しいことなどの課題があり、これらについて十分検討する必要があると考えております。
国土交通省としては、利用者の安全に直結する課題であることから、障害当事者の方々の様々な御意見にしっかりと耳を傾けた上で、丁寧に合意形成を図っていくべき事柄であると考えておりまして、本件については引き続き議論を継続してまいります。
先ほど申し上げました検討会におきましても、視覚障害者当事者から様々な意見があると、このように認識をしております。いずれにしましても、ハード、ソフト両面から、視覚障害者の方々を含め障害をお持ちの方々が安心して鉄道を御利用いただけるよう、安全対策をしっかり進めてまいりたいと思います。
今日はもうちょっと時間がなくなってきましたので、改めて、いろんな御意見あると聞いていますけれども、当事者の方からは、いや、いろんな意見あるけど、やっぱりこの実証実験必要だということを強く求めている方もたくさんいらっしゃいますので、その点しっかり受け止めていただいて、四月一日からこの合理的配慮、義務化になりますから、事業者の方にですね、そうした環境変化も踏まえてしっかりやっていただくことを改めて求めて、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。