編集局
このコーナーでは、ほぼ1年にわたって、6名に白杖の使用の有無や、使用・不使用の理由などについて書いていただきました。
コーナー担当だった私にとっても興味のある内容だったので、今まで書いていただいた方の考え方などをそれなりにまとめてみたいと思います。
5年ほど前、弱問研の合宿で、白杖を日常的に使っているかという話題が出た時、参加者20人以上はいたと思いますが、使っていると答えたのが私だけだったと記憶しています。それを考えると、使用する人が増えてきたのかなと感じます。
掲載にあたり、まずその方の性別や年代、視力や視野などの見え方の特徴などを伺うようにしました。
ある程度予測はしていましたが、視力が良いほど使用しない傾向にあるように思えます。使用しないと危険かどうかが判断材料になるのかな。また必要な時にだけ使いたい人は、白杖自体は持っているという方もいました。使用する方は、歩行の安全や、弱視であることを周囲に伝えるという意味合いも持たせているのかなと感じました。持っていると周りの目が気になる、犯罪に遭遇しやすいとか、逆に、人を転ばせてしまったりして加害者になることを恐れているといった本音も書いていただけたと思います。また、慣れない場所での歩行や、サポートをお願いしたい時、夜間のみに使用するという方もいました。
いずれにしても答えが1つではないのが弱視者の特徴だと思います。ただ、使用率が以前よりも上がっているところを見ると、視力低下に悩んでいるメンバーが増えているのかなとも感じました。全盲の方に比べれば、きちんとした歩行訓練を受けず、白杖の持ち方なども自己流という方も多いと思います。使用するかどうかや使用場面などは個人で違ってくるのは当然のことですよね。そういう意味で、このテーマで参考になったという方がいれば、取り上げた意味があったのかなと感じますがいかがでしたでしょうか。
さて、生活向上委員会は新たなテーマで今後も継続されます。感想なども気軽にお知らせいただけるけると嬉しいです。