編集局
弱問研の定例会などで度々話題になる白杖についてシリーズで取り上げてみたいと思います。
事例6:
40代女性。視力は右0、左0.08。視野は、片目しか見えていないので晴眼者よりは狭いと思うが、ほぼ正常。
- Q:白杖を持っていますか?また使用していますか?
- A:外出時はだいたい鞄には入れていますが、日常生活ではほとんど使っていません。
- Q:使用する場面を教えてください。
- A:初めて行く場所や、暗いところ、段差が見にくいところ、人に尋ねたい時などは時々使用します。劇場や夜のテーマパーク、出張で慣れないところに行った時、通勤時、電車が止まってしまい別の路線に迂回する時など、実際に使った例です。
- Q:白杖はどんなタイプで、何を参考に買いましたか?
- A:7つ折りの細いシンボルケーンです。弱視の人が持っているのを見せてもらって、軽くて鞄に入るものということで選びました。
- Q:白杖を使用した人を手引き、誘導することがあると思いますが、困ったことはありますか?
- A:手引きしている人(=私)は晴眼者だと思われることが多く、細かい字の書類を見せて説明されたり、代筆を頼まれたりすることがよくあります。私にもできない時は、その都度「私も弱視なので・・・」と説明しています。
- Q:その他、読者へのメッセージがあればお願いします。
- A:小さい子どもやお年寄りにぶつかって加害者になってしまうかもしれない、そんな時には白杖を持っていた方が良いことも分かっています。周りがよけてくれて歩きやすかったり、人に尋ねる時も尋ねやすいし相手にも分かってもらいやすいということも知っています。でも、自分では「わりと見えていて普通に歩けている」と思っており、本当に困った時にしか使っていないのが現状です。
世間の人の「白杖使用者=全盲」というイメージが、もう少し正しく理解されたらいいなとは思います。弱視の人でも白杖を持つんだよ、シンボルとして持っている人もいるんだよ、ということが、もっと広く理解される世の中になるといいなと思います。
私も、少しでも視力が落ちた場合や、今までに使用している慣れない場所や少しでも危険だなと思う時は、どんどん使おうとは思っています。