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日本弱視者ネットワーク
Network of Persons with Low vision

(旧称:弱視者問題研究会・弱問研)

生活向上委員会【白杖編その5】

編集局

弱問研の定例会などで度々話題になる白杖についてシリーズで取り上げてみたいと思います。

事例5:
30代女性。視力は右0.1、左0.08。視野は正常だが、明暗順応が今ひとつ。

Q:白杖を普段使用していますか?
A:持っていますが、ほとんど使っていません。夜、不慣れな道を歩く場合等に時々使います。
Q:使用しないでも歩行上問題はないですか?
A:あまり問題ありませんが、時々人が避けられないことがあり、怖い思いをすることがあります。
階段はなるべく手すりに掴まったり、手すりの近くを通って下りるようにしています。
Q:歩行時、危険な場面に遭遇したことはありますか?
A:夜道で、人や自転車にぶつかりそうになることがよくあります。
Q:何かサポートをお願いしたい時に杖を使う人もいますが、使ったことはありますか?
A:ほとんどありません。つい白杖を出しそびれてしまうのですが、メニュー表示が小さいセルフ式のカフェやファーストフードでは、白杖を持っているとメニューを教えてもらえたり、食器を運んでもらえたりするのかなと思います。
それと、大きな病院で受付等が探せずうろうろすることがあるので、誘導をお願いする意味で持っているといいかもしれません。
Q:その他、何か書きたいことがあればお願いします。
A:普段白杖を持ち慣れていない、持っていなくても歩けてしまう、いつも荷物が多く手が空いていない、見えているのに白杖を持つと周囲に変に思われるのではないか?等の理由で、つい持たずに歩いてしまいますが、何かあった時のために持ったほうが安心かとは思います。たとえ人にぶつかっても、白杖を持っていればトラブルを回避できるかもしれません。
最近、以前よりも白杖を持つ人を多く見かけるようになった気がします。自分を守るため、弱視を知ってもらうためにも、白杖を持つ勇気が必要かな?