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日本弱視者ネットワーク
Network of Persons with Low vision

(旧称:弱視者問題研究会・弱問研)

弱視者を助けてくれる福祉機器・補助具

このページでは、見えにくさを補ったり、安全を確保するために役立つ道具・機器について紹介します。

多くの機器は弱視者にとって使いやすいよう調整されていたり、一般的な道具より高性能であったりします。

ただし、目の状態や使い方によっては必ずしもうまく使えるとは限らない点に注意が必要です。購入するときは、しっかりとした製品の選択や調整が必要であるといえるでしょう。

詳しい情報が必要な方へ

どういった種類の機器があるのか、どんな機種が今現在市販されているのかといった、詳しい情報が必要な方は、次のデータベースをご利用ください。これは、東京大学・学際バリアフリー研究プロジェクト(AT2EDプロジェクト)の一環で作成・公開されています。
エーティースウェアード

また、これらの道具・機器の多くは一般的に高価ですが、購入の際の消費税が免除されたり、購入費用の助成を受けることができます。詳しくはお住まいの市役所や福祉事務所などにお問い合わせください。

ルーペ

本や新聞、書類の文字をはじめ、手元にあるものを大きく見せてくれる機器です。一般的な虫眼鏡と構造は同じですが、弱視の場合は目の機能がかなり弱いため、非常に高倍率のレンズが使われます。

また、レンズの倍率が大きくなるほど、拡大された像は暗くなってしまうため、レンズの端に強力なライトが内蔵されている機種もあり、好んで利用されています。

単眼鏡

一般的な双眼鏡から片方のレンズを取り除き、小型軽量化したものです。片目用の双眼鏡というと分かりやすいでしょうか。

弱視者の場合、30から50センチといった近い距離でも見えにくさを感じることがあるので、このような近い距離にもピントが合う機種もあります。

拡大読書器

据え置き型拡大読書器

前後左右に動く台と、その台を見下ろすように設置されたカメラ、それらの上部や前面にテレビモニターが配置された装置です。動く台の上に拡大したいものを置くと、モニターに拡大されて映し出されます。台を前後左右に動かすことで、モニターに映る場所を調整します。

映像は拡大だけでなく、白黒の映像にしたり、白黒を反転したり、さらに反転した映像の白い部分を黄色に変化させるなど、配色の調整もできます。こういった機能は、目の状態によって見やすい色と見えにくい色の組み合わせがあるという弱視の特性に配慮したもので、本や新聞などたくさんの活字を読むときなど、特に威力を発揮します。

ルーペと違ってレンズを手で支える必要がないため、書類に文字を書き込むときにも重宝されます。

携帯型拡大読書器

拡大読書器の機能を持ち歩けるように小型化したものです。デジカメやアイフォンに近い外見をしており、大きさはアイフォンをふた回りほど大きくしたものが主流です。アイフォンのように、片面に液晶画面が、反対側にカメラがついていて、カメラで撮影した映像を拡大して画面に映します。

ルーペのような感覚で、どこでも手軽に使えるのが特徴です。また、デジカメやアイフォンなどの部品や技術を組み合わせて作れるため、従来の拡大読書器に比べて安価で種類も豊富です。

遮光眼鏡

眼鏡の外から入ってくる光を弱めたり、特定の波長の光をカットする眼鏡です。仕組みや使い方は一般的なサングラスと同じですが、目の病気によってはサングラスで眩しさを解消できないことがあり、このような眼鏡が使われます。

目の病気によっては、光に対して非常に過敏になることがあるので、夏場だけでなく一年中、外出するときはもちろん、場合によっては屋内でも使われます。室内では、特にパソコンを長時間使う時の眼精疲労軽減に使われることが多いです。

白杖 (盲人用安全杖)

白い杖と書いて『はくじょう』と読みます。全体が白く、先端が赤や黄色の杖です。目の状態や体格に合わせ、様々な太さ・長さのものがあります。

白杖の用途には、前方に段差や障害物がないかを確認することだけでなく、何かにぶつかったときにケガを防ぐことと、周囲に目が不自由であることを知らせることもあります。

しかし、周囲に目が不自由であることを知らせることには心理的な抵抗があるため、白杖を持っていない弱視者は多いといわれます。

パソコン用ソフト

弱視者に限らず、全ての視覚障害者が使うパソコンは一般に販売されているものと同じです。唯一違う点は、パソコンの画面を見やすくしたり、画面に表示されている文字を合成音声で読み上げるソフトが追加されていることです。

画面をみやすくするソフトは、画面の一部を大きく表示したり、画像処理で画面の色を見やすい配色に変更します。

画面の文字を読み上げるソフトは、編集中の文章やホームページ、メールの内容、画面やシステムの状態、さらには入力中の文字まで合成音声でアナウンスします。これによって、画面の文字が見えなくてもパソコンが利用できるだけでなく、文字が見える弱視者にとっても、文字を見なくてすむことで目の負担を減らす効果があります。