ちょっと質問が変わるわけでございますが、三月十七日の委員会で、視覚障害児、弱視の子供たちに拡大教科書をぜひ手渡してくださいとお願いをいたしましたが、そのときに、納期について柔軟に対応するということと、申請漏れがなかったかどうかを調査しますとおっしゃっていただきましたが、そのことについての調査はしてくださったかどうか、伺いたいと思います。
お答えをいたします。
拡大教科書の納期につきましては、学校での授業に支障が生じないよう、少なくとも年度当初の授業から使用される分の分冊につきましては四月の授業開始時までに納入することとしておりますが、その後に使用される予定の分冊につきましては、四月以降の納入にも柔軟に対応できるようにしており、学校での授業に支障が生じない範囲での弾力的な取り扱いとすることとしたところでございます。
また、先生から三月十七日に本院で御質問をいただきました。その御指摘も踏まえまして、各都道府県教育委員会に再度の需要冊数の調査を行いまして、新たな追加分、二百四十一冊ということでございますが、これもまた無償給与の対象とするとともに、平成十七年度用の拡大教科書につきましても、文部科学省への申請期限後に生じた追加分は無償給与の対象とする、こういうふうにしておるわけでございまして、こういった拡大教科書の納期でありますとか申請期限の弾力的な取り扱いにつきましては、この四月に各都道府県教育委員会の担当者を対象とした会議を開催し周知徹底を図ったところでございまして、今後とも、この拡大教科書の無償措置が円滑に実施されるように努力してまいりたいと考えております。
盲学校に通う児童生徒の状態は文科省は把握されていると思いますけれども、普通学校に在籍する視覚障害の子供たちの数を把握していないというふうに、きのうお尋ねしたらおっしゃったんですね。ぜひこれは調査していただきたいと思います。
と申しますのは、今からはお願いがございますが、普通学校に通う視覚障害の度の高い子供たち、目が見えない子供たち、その子たちが、実は教科書がないんです。点字教科書がないんです。ですから、時代はインクルーシブ教育が進んでおりますのに、普通学校に通うその視覚障害の子供たち、これは、教科書がないということでは済まされないと思うんですね。
ですから、全国の小中学校、高校まで調べましても、今のところ四十人ぐらいという数が出ておりますが、恐らくもう少し多くなると思いますが、この子供たちに国による点字教科書の無償給付が受けられないかと、子供たちからの申し入れがございました。保護者が個人的にボランティアに点訳を依頼したり、保護者自身が点訳しておりますけれども、経済面、労力の面で限界に来ております。
拡大教科書に、先ほど、大変大きな御努力をちょうだいいたしましたので、ぜひ、この子供たちにも点字教科書を無償配付することを考慮していただきたい、その価格は原価補償できるのかどうか、あわせてお尋ねしたいと思います。
お答えをいたします。
平成十六年度から、通常の学級に在籍可能な視覚に障害がある児童生徒に対しましても、検定済み教科書を拡大した、いわゆる拡大教科書を無償給与できる取り扱いにしたところでございまして、御質問のこの点字版の教科書につきましても、拡大教科書と同様に取り扱うことができると考えております。また、無償給与を行う際には、国は各発行者が定める価格で購入しており、各発行者においては、必要な作成原価は確保できる、原価補償が可能である、こう考えておるところでございます。
普通学級に今在籍するそういった子供たちで、点字教科書を必要とする子供たちの数でございますが、今申し上げましたような無償給与、こういう支給の取り組みの中で把握をしてまいりたいと考えております。
大変うれしい御答弁でございます。ところが、残念なことに、子供たちがこのことをまだ知らないんですね。ですから、子供たちが手にするためには、どういう手順をとったら、新しい制度が輝くことになるか、もう少し具体的にお願いいたします。
点字版の教科書を使用しなければならない程度の視覚障害のある児童生徒が通常の学級に在籍をするというのは例外的な場合なんだろうとは思っておりますが、私ども、本院でのこういった御審議も踏まえまして、都道府県の教育委員会にこういった制度の趣旨について御説明を申し上げてまいりたいと思います。
委員長、最後に大臣にお尋ねしたいと思います。
こういうまだ教科書をもらっていないという子供たちが、数は少ないですけれどもあったわけですね。ですから、弱視の子供もそうですし、視覚障害の子供たちが普通学校に通っているのはもうこれから当たり前になってくるかもしれませんけれども、その中で、私たちが国会におりながら見落としてきたその子供たちに、これからやはりもうちょっと丁寧な思いをささげていかなければいけないと思います。
大臣、最後に御決意を伺いたいと思います。
今、肥田先生から、かねてから、そういう弱者にも十分な配慮をしながら、また障害のあるなしにかかわらず、教育の機会均等、また学ぶ権利、そういうものをきちっと認めていくことの必要性を強調されて、その成果を上げていただいておりますが、御指摘をいただきました点も踏まえながら、これからも、やはり特に義務教育段階においては、憲法の精神にのっとりながら、児童生徒すべてに、国が最終的な責任を持って、そして適切な教育を受けられるように、教育環境の整備、きちっと努めてやりたい、このように考えております。
ありがとうございます。終わります。