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日本弱視者ネットワーク
Network of Persons with Low vision

(旧称:弱視者問題研究会・弱問研)

衆議院 文部科学委員会 平成14年4月19日(金)

山元委員

この間、四月の九日、我が党の肥田議員や堀議員が、拡大教科書、弱視者のための拡大教科書について文部科学省と文化庁へ申し入れを、これは著作権の問題ですが、された。

私は、そのときの回答のメモを見て愕然とこれもまたしました。憲法二十六条に、すべての子供が能力に応じて教育を受ける権利があると書いてあるのですね。目が弱視、不自由だ、だから教科書が、検定教科書がもらえないというのは、これはいつまでほっておくのですか。協力をしていただく人に、この拡大教科書を、大きな字の教科書をつくっていただいて、一冊が一万五千円とかいう。

そういうふうにしてそれぞれが努力をしなければならない今の状況というものについての認識、例えばこれは、話し合いに行って、文部科学省の担当の人と話をした答えはこうでしたというメモ。拡大教科書は検定教科書になっていないけれども、発行者が文部科学大臣に申請して、決定許可を受ければ可能ですと、こんな水臭い話がありますか。本当に、目の不自由な子にはこういうものが必要なんだといったら、たとえそれが二百人であろうと五百人であろうと、きちっとこれは憲法の保障するとおり保障してあげるのが温かい文部科学省でしょう。できたらできますよと。そして一万何千円かかる、奨学奨励費で充当されていますよ、けろっと言ったと、けろっとかどうかわからぬけれども。

そして、例えば著作権の問題についてもそうです。著作権法を改正して、そういう目の不自由な、弱視者に対する教科書に、私の作品は教科書と同じように使ってよろしいよということで、著作権法を改正すればいい。文部科学省の答弁は、関係団体とも相談、研究を始めたところだが、それが難しければという、こういう言い方はないでしょう。

私は、やはりこの免許状を、しっかりと資格を持つ先生を盲・聾・養護学校、特殊教育学校に配置をして、その人たちをしっかりと教育を受けさせるということの保障というのは文部科学省の仕事だと思うのですが、この拡大教科書についてはもうやりとりしなくてもいい。これはやはり愕然とした事例です。ぜひこれは努力をしていただきたいというふうに思うのですが、大臣から一遍、どうですか。

遠山国務大臣

拡大教科書の課題につきましては、これまで委員会でも、別の委員会でも取り上げられまして、私も最近になってこの問題の所在について認識したところでございます。

文部科学省としましても、今検討を急ぎやっておりまして、私としてもできるだけ早くこの問題についてよい方向を見つけ出したいというふうに考えております。

山元委員

大臣、これは教科書の無償給与が始まって何十年たっている、戦後五十年たっている。このようにして置かれてきたということについては愕然とするという思いを大臣もしっかりと持っていただきたい。これはそう難しいことではない。何億円も要る話ではないのです。手続をきちっと大臣が決断していただければ、来年の四月からでも教科書についてはきちっとできるはずです。私は、そのことについてぜひ決断をしていただくように、そうすると、大きな前進だというふうにみんなが安心をする、喜ぶ、そういう教育のありようをぜひ大臣につくっていただきたいというふうに思います。