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日本弱視者ネットワーク
Network of Persons with Low vision

(旧称:弱視者問題研究会・弱問研)

2020年4月21日 文部科学大臣 萩生田光一様 独立行政法人 大学入試センター長様 弱視者問題研究会 代表 白井 夕子

要望書

 平素より弱視受験生の受験環境の充実につきまして、ご理解とご尽力を賜り、深く感謝申し上げます。

 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が施行され、4年余りが経ちました。この法律では、障害者に対する合理的な配慮を求めており、合理的な配慮の不提供は差別になるとされています。つきましては、今年度から新たに始まる大学入学共通テストにおいて、障害のある弱視志願者に対する合理的な配慮として以下の2点について特段のご配慮を賜りますようお願い申し上げます。

1.時間延長が認められる視力基準の改正

【理由】
 大学入試センター試験において、弱視志願者に対し、受験上の配慮として時間延長が認められる視力基準は「良い方の眼の矯正視力が0.15以下」となっていました。一方、身体障害者福祉法では、例えば良い方の眼の視力が0.2であっても他方の眼の視力が 0.02以下であれば身体障害5級に該当します。また、貴センターの基準は昭和63年に当時の盲学校の就学基準を参考に視覚障害、聴覚障害、肢体不自由等の専門家で構成する委員会において決定したということですが、現在の視覚障害特別支援学校の就学規準は「両眼の視力がおおむね0.3未満」に改められています。多くの眼科で使用されている万国式試視力表でも、0.1と0.2の間に指標はありません。2019年12月5日の参議院文教科学委員会において舩後靖彦議員の質問に対し、「令和三年度からの大学入学共通テストに向け、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由等の専門家で構成する委員会において、関連する法令等も踏まえつつ、その見直しを含めた検討が今行われております。」と答弁されておりますが、障害者に合理的配慮を提供する上でも、大学入学共通テストにおいては合理的な基準に改めていただけますよう要望いたします。

2.弱視志願者に対する延長時間を1.3倍から1.5倍に変更

【理由】
 大学入試センター試験では、点字1.5倍、弱視1.3倍と延長時間に格差がありました。1.3倍という時間は、試験時間の延長の仕組みが導入された昭和63年度試験の際に、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由等の専門家で構成する委員会において検討し、決定されたということですが、英語民間試験の一つである実用英語技能検定では点字、弱視とも1.5倍の延長時間が認められています。盲学校の入学試験でも点字と弱視の試験時間に差はありません。司法試験でも弱視志願者に対し、1.5倍の延長時間が認められております。2019年12月5日の参議院文教科学委員会において「センター試験においては、1.3倍では試験時間が不足する弱視の志願者に対しては、専門家で構成する委員会において個々の症状や状態などを総合的に判断した上で、1.5倍の試験時間を認めている」と答弁されていますが、そもそも受験上の配慮案内には、1.5倍の試験時間を認める余地があることすら記載されておりません。これでは、本来1.3倍では試験時間が不足している受験生でも、この事実を知らないが故に申請しそびれていることも考えられます。このような可能性があるのであれば、全国の試験時間が不足する弱視の志願者が平等にその症状や状態を申請できるよう、少なくとも受験上の配慮案内の代表的な事項として明記していただけますようお願いします。また、将来的には大学入学共通テストでも、点字と同様に1.5倍に揃えていただけますよう要望いたします。