平成16年3月23日
文部科学大臣 河村建夫 殿
弱視者問題研究会 代表 並木 正
大学入拭センター試験障害者特別措置の改善に関する要望書
拝啓、時下益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、私ども弱視者問題研究会は視覚障害者の7割を占める弱視者の取り巻く諸問題について、社会ヘの理解と改善を求め活動している当事者団体です。
最近では国公立、私立大学共に、大学入試センター試験を利用している大学が多くなっています。また各大学入試の障害者特別措置についても、大学入試センター試験障害者特別措置に準じる大学が大半です。
大学進学を希望する弱視者が、大学入試センターを晴眼者と対等な状態で受験できますよう大学入試センター障害者特別措置の弱視者対応について格別のご指導を賜りますよう要望いたします。
記
1 問題用紙、解答用紙弱視者対応版(拡大文字版)を作成すること。
- 現行措置では明朝体で文字は小さく、拡大コピーでは空白も拡大されるため決して十分な対応ではありません。
- 拡大教科書等で広く使用されている22ポイント、ゴシック体が適当と思われます。
- ただし、拡大読書器使用者、視野狭窄者ヘの配慮は必要です。
2 入試時間の延長を現在の1.3倍から1.5倍にすること。
- 弱視者はただの視力低下ではなく病気等による見えにくさがあるため、読速度が落ちます。
参考資料
読速度において晴眼者は弱視者の2.26倍である。
「視覚障害児の読書速度に関する発達的研究」佐藤崇正 著
弱視受験者は晴眼受験者の2.3倍の読み時間が必要である。
「弱視児の漢字読み書き能力」 徳田克己 著
- 現在盲学校の入試は点字と同時間で行われていますし、公立高校の入試でも入試時間の1.5倍が認められているところもあります。
3 問題用紙に解答を書き込む方式にすること。
- 紙の枚数が多いため、別紙の場合解答を記入する場所を探すのが困難であり、時間のロスが生じます。
以上