このアプリは、スマートフォンやタブレット端末のカメラに映る景色を画像処理し、弱視者の見え方に近い映像にします。その映像を家族や友人、学校や職場で関わる方に紹介することで、見えにくさのイメージを相手と共有しやすくなります。
弱視の要因になる見えにくさをカメラの映像に合成することができるようになっています。
下記のアプリストアで無料ダウンロードしていただけます。ダウンロードできるのは端末ごとに異なりますのでご注意ください。
※ご注意
いわゆるガラケー(らくらくホンなど)や、アプリの追加ができないスマートフォンや古いスマートフォン(iOSのバージョンが10以下、Androidのバージョンが4.4未満の端末)では、本アプリをご利用いただけません。あらかじめご了承ください。
初期設定が終わったら、画面には弱視者の見え方を紹介する映像が映ります。アプリの終了方法は、他のアプリと同じです。iPhone・iPadの場合はホームボタンを押す、Android端末の場合はホームボタンをタップするのが一般的です。
このアプリは、弱視者の様々な見え方を紹介できるように、設定画面で映像を変化させられるようになっています。
カメラの映像のところを右方向または上方向にスワイプすると、映像がぼやけていきます。逆に、左方向または下方向にスワイプすると、ぼやけは少なくなり、晴眼者の視界に近くなります。アプリを使う弱視者の見え方に合わせて画面を調整すると、より的確に見え方を紹介できるでしょう。
次に、設定画面について説明します。画面右下の【設定】ボタンをタップすると、設定画面が開きます。この画面には、視力以外の見えにくさ・見え方について、カメラの映像に盛り込むかどうかを切り替えるボタンが縦方向に並んでいます。これらのボタンはタップするたびにオンオフが切り替わります。オンの時、カメラの映像に反映されます。映像に盛り込めるのは、【羞明・夜盲症】【視野狭窄】【中心暗点】の見え方です。
それぞれの見え方の切り替えボタンの下には、見えにくさのパターンを選択するボタンがあります。選択ボタンをタップすると、パターンを選択する小さな画面が表示されますので、反映させたいパターンの名前をタップします。
※パターンの選択だけでは映像には反映されません。必ずその上の切り替えボタンをタップしてください。
設定画面の最初の【戻る】または最後の【閉じる】ボタンをタップすることで、メイン画面(カメラの画面)に戻ります。変更した設定項目は自動的に保存されます。
カメラの画面の左下には【ヘルプ】ボタンがあります。タップすることでアプリの使い方を表示します。画面下の【次へ】または【前へ】ボタンで説明ページをめくり、【閉じる】ボタンでカメラの画面に戻ります。
このアプリそのものは弱視者の見え方をカメラに映すだけという単機能なものです。それ故に、工夫次第で様々な場面で弱視者の見え方を紹介できると思います。例えば職場や学校で配慮してほしいことを説明するとき、文字の大きさや建物の中で危ない場所を説明するのに利用しましょう。
このアプリが入ったスマホをかざしながら、このくらいの大きさの文字で書いてくださいとお願いしたり、暗がりが危ないので通勤通学の時間に配慮してほしいことを伝えたり、人の顔が見分けられないため名乗ってほしいことを伝えたりするとき、分かりやすい説明材料になると思います。
変わった使い方ですが、弱視者同士が互いの見え方を説明しあうツールにもなります。アプリの設定手順は先ほどの晴眼者に説明するときと同じですが、弱視者同士で使う場合はお互いに画面を見せ合うと良いでしょう。『弱視者の見え方は人それぞれ』なのですが、これだとお互いの見え方のイメージと見えにくい場面の情報を共有できるでしょう。
このアプリで晴眼者に見え方を説明するときにはコツがあります。映像をぼかす程度を控えめに、自分にとっては映像画がぼやけているかギリギリ分かるレベルにしておくことです。視野狭窄や中心暗点のパターンを選択する時も同様に、自分にとってはあまり映像が変わっていないように思える程度にしておきます。
このように調整された映像を晴眼者に見せると、弱視者にとっては大したことのないぼやけ方でも凄く見えにくく、驚かれるでしょう。
余談ですが、この驚きが弱視という状態への理解の第一歩になると思います。開発の途中で晴眼者にカメラの映像を見ていただいたところ、『近視のようなものだと思っていたが実際は違うのか』という感想を多くいただきました。
アプリを通じて、見えにくいなりの見え方や見える範囲が異なることを正しく理解するきっかけになっているように感じました。
今後もアプリの開発、特に視野狭窄や中心暗点のパターンを増やし、色々な目の状態を紹介できるようにしていきたいと考えています。
アプリの操作方法や不具合に関するご質問、『私はこういう風に見える』といったご意見、『こんな場面でも活用してみてはどうか』といったご提案などは下記アドレスまでお願いいたします。